建設の歴史的経緯から、当初の路線と現在の特急かもめが駆け抜ける路線とは経由地が大きく異なります。 今回は暫定アップ、ということで、諫早(喜々津)〜長崎(浦上)の旧線のみを取り上げました。 そのうち全体編もアップします。 諫早駅・島原鉄道。 諫早駅です。 本日は久しぶりに長崎本線旧線に乗車します。 諫早〜長崎間、新線との分岐駅はそれぞれ隣の喜々津と浦上ですが、列車運転系統の関係で諫早から長崎まで乗車することにします。 乗車列車の到着直前、島原鉄道の気動車が先に到着しましたので、ホームからスナップ撮影です。 昨年の3月末で島原外港〜加津佐間、全体のおよそ半分が廃止された島原鉄道。 以前の区間列車は南島原行きが多かったのですが、今では多くが島原外港行き。 区間は短縮されましたが、現行区間では列車の増発や急行列車運転など積極策も見られます。 車両は旧国鉄形が淘汰されて、軽快タイプのキハ2500型ばかりになりました。 喜々津駅ホーム。 島原鉄道をちょっと拝んだ後は、長与経由長崎行きの気動車に慌ただしく乗車です。 列車自体は大村線から直通してやって来るため、始発駅の余裕のある雰囲気ではありません。 乗車すると間もなく発車。 架線の下を、諫早市の外れといった感じの隣駅喜々津まで走ります。 喜々津駅のすぐ海側には、工場の建物が取り壊されたような遺構が残っていました。 キハ車内。 久しぶりにキハ66・67に乗車しました。 長崎地区では初めての乗車です。 当時の国鉄としては斬新な造りの車両は、新幹線博多開業に合わせた製造ですから、すでに齢35年を重ねています。 全車30両が筑豊地区を中心に運用されていましたが、現在では長崎地区のシーサイドライナーとして活躍中です。 普通から急行まで使用できるワイドレンジの車両、新幹線(当時)や関西の私鉄特急のような転換クロスシート構造、おまけに筑豊にしかいないという特殊性もあり、当時はずっと乗りたいと思っていました。 初めてお目にかかったのは1977年の7月。 大学1年の時でした。 外観はイメージ通り魅力的。 しかし実物を目の前にするといささか期待外れだったのは否めません。 急行列車にも使えるというふれ込みでした(実際当時の「日田」や「はんだ」に使用されていました)が、デッキなしロングシートありの構造ではいささか看板倒れ。 さらに一番のマイナスポイントは、車内壁の色が113系と同じグリーン系、つまり当時の普通列車クラスの色で、優等列車用の車両とは明らかに違います。 また、ややパワーを抑えているとは言え、キハ181譲りの大型エンジンが、防音不十分の車体の床下に装備されている。 ということで、乗車してもホームで見送ってもとにかくやたらうるさい車両でした。 残念ながら快速どまりの車両、というのが当時の印象でした。 久々に乗車してみると、客室の色は相変わらずグリーンの壁に紺色のシート。 懐かしい、というより相当陳腐な感じというのが正直なところでした。 大村湾車窓風景。 喜々津を出ると前半、列車は大村湾沿いを海面ギリギリ、といった感じで入り江に沿って走ります。 車窓からの眺めは抜群です。 残念ながら初冬のこと。 そこそこの乗客もいますし、窓を開けるのはさすがにためらわれました。 諫早から佐世保方面が、入り江のすぐ向こう側といった感じで望めます。 今回の乗車は長崎本線部分だけですが、風景の連続性からも、長崎本線の歴史からも、更に列車の運転系統からも、ここはひとつ長崎〜佐世保を通して乗車するのがいいようです。 大草駅舎。 大草駅に到着です。 変わった造りに見えた駅舎は、近づいてみるとこんな感じで、壁がホームと平行直角ではありません。 他にあまり例を見ない構造です。 このあたりまでは平地のため、エンジン音はさほど大きくありません。 というより、エンジン載せ替えで以前よりはかなり静かに(あくまで比較の問題ですが)なったように感じられました。 そのせいか、運転速度に関係なく回っている発電エンジンの音が非常に不自然に目立って聞こえてしまいました。 本川内駅。 長崎本線旧線の難点は、大村湾を巡る急な曲線と、本川内までの急な峠。 大村湾を離れると、今度は峠越えが控えています。 海岸と海岸の間の、さほど高くない峠越えなのですが、両側に平地がほとんどなくかなり急な印象を受けます。 トンネルを抜けたところにある本川内駅。 カメラを構えるのをサボっていたため撮影しそこないましたが、駅舎が絵になるのはこの写真の右手、諫早寄りの踏切側から眺めた角度のようです。 本川内駅ホーム。 古い線路が残っている本川内駅ですが、使用されているのはこの線だけ。 隣にある線路は?と思って眺めていると、長崎方にスイッチバックの引き上げ線の跡が残っていました。 ここから先は、長崎の町に向かって下って行きます。 長与駅。 長与駅です。 長崎本線旧線が「長与経由」とあるように、旧線では一番大きな駅です。 交換設備もあり、ここまでの区間列車も設定されています。 が、長崎駅まではほんの3駅で、ここまで来るるとすでに長崎市の市街地の一部(端)、という感じになります。 都会の印、駅前には新しく大きなマンションも。 しかし不況の風が巷を吹いて、この大手マンション会社、このほんの数日前に倒産してしまいました。 浦上駅到着。 長崎の一つ手前、浦上で現川方面からの長崎本線新線と合流します。 架線も現れ、ここまで来ると都会の幹線駅という雰囲気になります。 2両編成の気動車、車内は座席がほぼ満員といった感じの乗車率です。 長崎市内に入りやや増加しましたが、諫早〜長崎市内を通しての乗客(というより大村線内からの直通客)も多数でした。 諫早で乗り換えたほうが長崎には若干早く到着できるのですが、意外と直通客の通し乗車も多いのでしょうか。 長崎駅留置線。 長崎駅に隣接した留置線です。 停められているのは、シーサイドライナー用の青い気動車が中心です。 やや遠目ではありますが、国鉄色のキハ66・67の編成も見られました。
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